フィンランドで新たなスタート

By | 2021/12/30

 

前回「フィンランドでどん底に落ちた話」の続きです。

 

前回の記事で書いた通り、非常に厳しい戦いだった。

 

 

フィンランド語ができず、顔が東洋人、エンジンニアのような専門職経験なし、すぐに仕事に就くことができる在留資格も持っていない私にとって、とても絶望的、不安で、どん底にいる二ヶ月間だった。

 

 

やるべきことを自分でもよく把握している。

できること、やれることは決まっている。

やることの内容自体はどれも難しくない。

 

 

難しいのは、「明日の自分がどうなるかわからない状態」と戦うことだった。

難しいのは、「拒まれると知りながら、求職を出し続けること」だった。そして、「拒まれ続けること」だった。

難しいのは、「落ち込んでも、泣きたくなっても、気力を失っても自分で一人で頑張るしかない」ことだった。

 

 

2021年の10月頭から、ひたすら仕事を探していた。

 

寿司シェフでも、清掃員でも、専門であるプロダクトマネジャー職でも、マーケティングでも、少しでも自分の経歴にかかわりそうな求人にひたすら応募した。

 

 

最初は1日に10や15件応募したりしたが、応募書類の精査が足りないと思うので、数週間後に毎日2~5件応募するように数を落とし、応募書類の質を上げようと試みた。

 

 

最初やはり経験なしでもできる仕事の面接に呼ばれた。

寿司シェフとカフェチェーンのセントラルキッチン(夜中にサンドイッチを作る)の仕事だった。

 

 

どちらも「すぐに働かなければいけない」仕事だった。

在留資格に訳ありの私は「雇えない」「ごめんなさい」としか言われなかった。

 

 

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それら以外、専門職関係の面接に呼ばれたのがわずか4件。

 

 

そして、予想した通り、4件のうち、面接官が外国人のが3件。

 

つまり、フィンランド人の面接官に呼ばれる可能性がほぼ「ゼロ」ということだ。

 

フィンランド語ができず、顔が東洋人の人がフィンランドで仕事を探すことが至難の業という厳しい現実に突き付けされた

 

 

 

1件目は寿司チェン店の新規事業開発マネジャーの職だが、電話で一次面接を行ったが、その後連絡なし。

 

2件目は医療系ITシステムのプロダクトマネジャー職だが、私にITサービスの職歴経験がなかったので、不合格。

 

3件目はITサービスの日本展開の営業担当。営業能力が足りないことで、不合格。

 

 

残ったただ一つの希望は工業洗濯サービス会社のプロダクトマネジャー職だった。

 

 

一次面接はビデオ面接で、質問に対して答えを録画して送信して行った。

※ユーチューブビデオを録ったことがある経験のおかげでカメラに向かって話すことはそれほど難しくなかった。

 

一次面接の連絡はメールで、録画もネットのみで、直接誰と話すことはなかった。

 

 

二次面接は人事担当から電話で知らせてくれた。

二次面接はオフィスに行って人事担当と未来の上司となる面接官の二人で行われた。

 

 

これは一番大事な面接だ。

未来の上司と直接行われるため、未来の上司がOKすれば、最終合格の可能性が大幅に上がる。

 

 

とても運がよく、未来の上司は俺が面接で語った内容を買ってくれた。

 

 

しかし、これで終わるのではなく、さらに三つのステップがあった。

 

 

その後、人事担当から二次面接合格のお知らせが電話で来て、オンライン試験を受けてほしいとの連絡だった。

語意推理、数学、関連性推理と性格テストの4種類でそれぞれ30分間。

 

 

皮肉にも、人生で一番鍛えられてきたのは受験だったので、このくらいの試験は問題なく通過。

 

 

次に3次面接で最終面接。バイスプレジデントの方と。

二次面接に似た内容だった。

 

 

最後に会社から私の前職の上司と連絡を取り、最終確認。

 

 

11月15日月曜日。ジムから帰る途中に電話がかかった。

未来の上司からの電話だった。

 

 

是非君に我々のチームに加わってほしい

 

「よし!よし!よし!」と思わず拳を握り、心の中で叫んだ。

 

 

本当に他の何か何でもダメで、もう残された道がない状況の中で、工業洗濯サービス会社から内定をもらった。

 

 

 

もう求職応募にも疲れ切って諦めたい時だった。

 

未知な未来と莫大な不安に日々、毎時間、毎分直面し、戦い続け、希望の一つさえ持てない時期だった。

 

 

一つだけ、崖っぷちの私を救ってくれたチャンスが。

本当に奈落の底へあと一歩のところだった。

 

 

本当にラッキーだった。

 

 

しかも、何より、給料は悪くない。

会社の中でも中枢的なポジションだ。

 

 

 

11月17日水曜日、正式な内定通知書がメールで届き、当日に在留資格の申請を提出、当日の午後に会社オフィスに行き、内定通知書の原本を入手。

11月18日火曜日、移民署への本人確認、書類原本確認アポを行った。

11月24日水曜日、在留資格申請の審査が終了。

12月1日水曜日、在留資格申請の結果を確認。申請が許可され、4年間の在留資格が得られた。

 

※私が申請したのは「フィンランドの大学の学位(学士以上)を所持している人が申請する就労ビザ」だった。このビザの審査が通常の就労ビザよりも早く、大体1~2ヶ月で結果が出る。しかし、私はすでに申請した自営業ビザが審査中の状態だったので、学位所持者就労ビザの申請を提出し、自営業ビザの申請を取り消したら、すぐに学位所持者の就労ビザが審査されるようになるため、申請してからわずか1週間で結果が出た。

 

 

新しいアパートを探した。

 

12月8日仕事スタート。

12月20日新しいアパートへ引っ越し。

12月22日中古であるが人生初めての車を購入。

 

 

人生が一変したのだ。

 

 

今はただただすべてに感謝しながら生きている。

 

 

今日も会社に行けることに感謝。

今日もご飯食べれることに感謝。

今日もサウナに入れることに感謝。

今日もゆっくりベッドで寝れることに感謝。

今日も友達に会えることに感謝。

 

 

何一つ当たり前ではない。

何一つ大事にすべきだ。

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