2015年2月ごろに構想段階から始め、夏までにフィンランドで会社登記、起業補助金入手を経て、2015年夏から正式に始動したスマホゲームの日本へ誘致するマーケティングサービスを提供するビジネスが約一年で2016年の7月に完全に終止した。
ビジネス自体の内容はヨーロッパのスマホゲームがもし日本に進出したい時に、日本市場におけるゲーム内容の修正アドバイス、テキストの翻訳、ゲームリリースの際に露出キャンペーンの企画と実行といったサービスを提供する内容でした。
このビジネスが失敗に終わった(自分がこのビジネスをやめた)一番大きいな理由は「自分の能力を超えることをやろうとしていた」からです。
認めたくなかった遥かに足りない能力
このビジネスが成功するカギは二つあると思います。
一つは「日本のスマホゲームユーザーはどのようなゲームが好きかを熟知していること」。
もう一つは「スマホゲームを日本市場にリリースする際に有効に(効率的に)露出させることができること」。
残念ながらこの二つのどちらも私にはできませんでした。
※厳密に言うと、ちょっとできるが、ちょっとしかできないのに勉強すればできるようになり、ノーハウをためればできるようになるだろうと思い込んでいました。
このビジネスにおいて私の持っている優位性は「自分はヨーロッパに住んでいてお客様に近いこと」と「日本のゲームを熟知している関係のいい友人がいること」です。
今から振り返ってみると、この二つの条件はあくまでも有利な条件であり、成功に導く必須最低限条件ではなかったです。
この二つの有利条件から、お客様のニーズを把握することができました。
お客様を獲得することができました。
しかし、お客様を成功させるほどの力がありませんでした。
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日本のゲームをあまりにも知らな過ぎた
自分はゲーム自体嫌いではないが、夢中にゲームをやっているのは中学校まででした。
しかも、それは台湾にいたごろで、日本のゲームは全く詳しくありませんでした。
そのため、日本のゲームユーザーはどのような色を好んで、どのような困難度やスピードでゲームを進むことを好んで、ゲームにどのような感覚や感情を期待しているかを把握し切れませんでした。
更に、この記事を書けるほどの日本語ができても母国語ではないので、一次翻訳ができてもゲームユーザーの心に響くほど仕上げる翻訳修正は自分でできません。
そのため、ヨーロッパでゲームを見て選んだり、お客様にアドバイスしたり、翻訳したり、ゲーム内容を日本向けに調整したりするときに、多くの部分は自分でできず、友人にお願いする必要がありました。
失敗から経験を積めばいい業種でもない
また、もう一つの要素はゲームの業界でマーケティングサービスを提供する業者を含めた「PR業者」やゲームを自社の名前でリリースする「パプリッシャー」には「口コミ」に大きく、深く影響されていると感じました。
たとえミニゲームでも、ポテンシャルが低いゲームでも、その案件を受け、やってみて成功も失敗もすぐにその結果はローカルの業界内で広まります。
結果的に一つのローカルコミュニティで1ケースでも失敗したら、そのコミュニティの他のゲーム会社から案件をもらうことは絶望的と言っていいでしょう。
つまり、試行錯誤がほぼ許されないビジネスです。自分には練習するほどのチャンスがなかったなと今振り返ってみてそう思いました。
お客様は成果物を評価できない
更に、ゲームの成功には多くの要素が絡んでいますが、根本的に二つの要素にまとめることができます。
「ゲームの質」と「販促の力」です。
ゲームの質を「ゲーム性」と「外見要素」に分けることができるでしょう。
「ゲーム性」はどの国でも通用しやすいもので、「遊んで楽しい」という感覚を指しています。
外見要素はキャラクターのデザインやテキストの質です。国や文化によって作り直すことが必要な部分です。
前述した私のゲームビジネスが失敗した理由の一つ目はまさにこの作り直す力の不足です。
そして、失敗した理由の二つ目は販促の力の不足です。
もう一つ。私のお客様であるゲーム開発業者にとって、私が提供するサービスを評価できる唯一の数字は「ダウンロード数」です。
つまり、彼らは私の販促の力しか評価できません。
翻訳やキャラクターをいくら最高品質に仕上げても、お客様はそれを評価する能力を持っていません。
つまり、ダウンロード数が低ければ、私のサービスは全てが否定されることになります。
これが現実ですね。
最後に
もしあなたが新しい事業を始めようとしたら、その事業は自分もしくは自分のチームの能力を超えていませんか?
想像ではできても、実際にやろうとすると、お客様が満足するレベルまでできるでしょうか。
その時の自分は起業の夢だけ見て、現実を見ようとしていませんでした。(今もそうかもしれませんが)
あなたには是非はっきり見てほしいです。
今のやっているキートスショップも自分の能力を少し超えているかもしれません(「少し」というのも思い込みかもしれません)が、頑張ってみたいと思います。