どの弁理士も商標弁護士も使わずに自分で申請して取れたなんて、実はとても運が良かったです。
EUにおける商標の申請手続き
EUには多くの国が存在し、もちろん特定な国にだけ商標を申し込むこともできますが、EU加盟国全体まとめて申し込むほうが断然便利的、経済的、有利でしょう。
しかもその手続きは日本の商標申請よりも断然に簡単です!
クレジットカードとインターネットがあれば20分で出願できてしまいます!
EUの商標申請は下記のウェブサイトでできます。
EUIPO(European Union Intellectual Property Office)
登録ページはこちらです。
クラスの登録数によって費用が変わります。(費用は毎年調整され、変わる可能性があります)
基本料金は850ユーロで1クラスの登録を申し込めます。
2クラス目は追加料金50ユーロで、3クラス目は追加料金150ユーロ、それ以降追加1クラスには追加150ユーロかかります。
※筆者が2015年に登録申請したときには確か900ユーロで最大3クラスまで選択できるシステムだったが、変わりました。
上記の登録ページから画面上の指示通りに進めて行けば早くて10分遅くて1時間ほどで申請作業が終わります。
作業は「商標の入力やアップロード」「登録クラスの指定」「商標所有者の情報入力」「クレジットカードによる支払い」「アカウントの作成」などが含まれます。
※英語やヨーロッパ言語しか使えませんのでご注意ください。
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注意事項
筆者は弁理士も商標弁護士に依頼せずに自分で申請したのでやはりいくつかの問題点が発生しました。
その一つ目は類似商標の検索です。
経験もノーハウもないのでやはり類似商標の検索に漏れが生じてしまいます。
「Sidora Marketing」や「Sidora」などの名前で商標検索したところ、「DONA ISHIDORA」と「ISHIDORA」の2件しか出てきませんでした。
どれも私の登録したいクラスとかぶっていないので、これはたぶん大丈夫だろうと思って申請しました。
と申請した後間もなく某ドイツの会社から異議申し立てが来てしまいました。
その会社の名前は「cidora IT XXXXXX」でした。
わ~そう来たか!と思いました。
これが一つ商標検索に漏れがあったから来したトラブルでした。
もう一つは、商標申請は簡単ですが、申し立てが来ると対応が難しいです。
特に私が申請時に英語を第一言語にしていますが、第二言語をドイツ語にしています(第二言語を選ばないといけません。選べる第二言語はドイツ語、フランス語、イタリア語とスペイン語のみです)
ちょうど異議申し立てをした会社がドイツの会社で、来た書類は全てドイツ語でした。
やはり交渉してほしいとか云々の内容をGoogle Translateでなんとなく理解しましたが、さすがに返事する正式書類を作るには無理でした。
ドイツ語ができる特許弁護士に頼むと恐らく〇万円の単位でお金が飛んでいくだろうから、頼んでいませんでした。
対応したくないわけではないですが、対応する能力もなく、プロに頼むお金もないので、「放置」にすると決めました。
運が良かったこと
900ユーロ払ったが、この商標は諦めたことでずっと放置していましたが、申請から2年が経ち、なんと!!
「商標登録証明書」がEUIPOのアカウントに届きました!
それで、今までアカウントに届いたが放置してきたいくつかのドイツ語の書類をGoogle Translateで内容をなんとなくの感じで確認してみました。
結論を言うと、EUの商標審査官はドイツの会社からの異議申し立てに対し、「部分成立」という判決を下しました。
ドイツの会社もこの判決に対して異論がないため、私の商標は2クラスにおいて登録することができました。(当初は3クラスに登録申請したが、1クラスは異議申し立ての成立によって却下されました)
実はとても運が良かったことです。
900ユーロは水の泡にならずに済みました。
ちなみに、EUの商標は10年間有効で(申請日から起算します)、10年後に更新する際に更新料を支払う必要があります。
申請料と同じで1クラス850ユーロ、追加1クラス50ユーロ、追加2クラス目150ユーロという価格になっています。
費用の詳細はこちらをご確認ください。
英語じゃない言葉は対応できない欠点が大きいですが、日本の商標出願手続きより断然便利です。
筆者は現在日本の商標出願も専門家に頼まず、自分で対応する形で出願し、進行しています。無事取れるといいです。また別途報告させて頂きます。