お茶事業の失敗の理由を簡単に言うと、「順番を誤った」だけです。
(失敗や「順番を誤った」というより、「やめた」「諦めた」と言ったほうが正しいかもしれません)
事業の内容は非常に簡単で、日本茶と台湾ウーロン茶をフィンランドのお茶専門店に卸すというビジネスです。
ゲーム事業の失敗によって、次何するかを迷った末、重さが軽くて賞味期限が長くて単価が高いお茶はどうかと思って始めてみようと思いました。
とりあえず日本茶と台湾茶をそれぞれ4~5種類のサンプルを購入してみてフィンランドのヘルシンキのお茶専門店を回ってみようと思いました。
回ってみたら、いくつかのことがわかりました。
(1)市場は非常に小さいことがわかりました。
(2)市場に細かいセグメントがあります。
(3)私自身に「営業すること」に抵抗があります。
スポンサーリンク
一つ目について、ヘルシンキはフィンランドの首都であるが、お茶専門店は約10軒ほどで、日本茶や台湾ウーロン茶が置かれてあっても年に数キロや数十キロしか販売量がありません。
たとえ市場シェアを半分取ってもビジネスを支えるほどの売り上げが見込めません。
その小さい市場の中でも色々なお客様がいます。日本茶に詳しい人は高い値段でもいいお茶が飲みたいのに対し、詳しくない人はまず値段をみて安ければいいというお客様もいます。
そのために、売り方やターゲットが全然異なる高級煎茶を好むお客様と格安煎茶を好むお客様のような様々お客様に満足してもらうリソース(少量多種類の在庫を抱えるリソースと様々なお客様に向けて売り方を分けるリソース)が足りないと思いました。
最後は営業ですね。
「お茶を持って行って味わってもらう」ことから始まるこのビジネスには営業することに抵抗感があってはいけません。
しかし、私にはやはり少し抵抗感があり、ストレスを感じました。
相手にどのようにみられるかがすごく気になります。自分はプロに見えるかどうか、お茶にどれほど詳しいかどうかをすごく気になっていました。本来はとりあえず無神経に売り込んで人々と知り合い、友たちになることが前提なのにです。
そのため、お客様とは無形な壁を感じ、より深い関係を作るのが難しく感じました。
この3点はもしかしたら事前の調査や市場テスト販売で始める前にわかることができ、出費と時間を節約できたのかもしれません。(とは言え、事前調査で簡単にやめたらそれはそれで「本当にダメなのか」という疑問は残りますし、実際にやってみないとわからない部分もありますし)
もちろん、「地道な活動」をしていけば、この事業を軌道に乗せるのは難しくても不可能ではないですし、むしろ伝統的なビジネスモデルであるからこそ、新規ビジネスモデルよりもリスクが低いかもしれません。
それは日本茶とウーロン茶の市場拡大の活動としてお茶教室もしくは試飲会を開くことなどでしょう。
毎週このような活動をやっていき、1年も経てばある程度売り上げも付いてくるでしょう。
そう続けてやりたくなかっただけです。何か別のことをやりたかっただけです。
今はほとんどのお茶事業が休止し、抹茶を抹茶ラテを作っているカフェにちょっと卸す程度の片手間程度でやっているだけです。