高校の数学教育について書く前に理解してもらいたいのは、中学卒業した学生の約半数が高等学校に進学し、半数は職業学校に進学するという。高等学校の卒業生の多くは大学に進学し、職業学校の卒業生の多くは職業専門大学に進学する。
大学の入学には全国統一の大学入学資格試験が行われる。高校の数学教育も少なからず大学入学試験に影響されているので、授業が日本の予備校に似ているという。
ただし、クラスの学生が11~15人程度で先生は個別学生の状況を把握しやすい。
そして、学生の学習意欲も高いそうだ。真剣に授業を聞いているのが印象的だと著者が言った。(ただし、その理由は説明されなかった)
学生に考えさせること、机間指導などが印象的。
また、国家カリキュラムに関してもフィンランドと日本に違いがあったので、抜粋します。
日本はより具体的な内容にしている。
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「数の平方根について理解し、数の概念について理解を深める」(中3)
フィンランドは数学学習を通した一般的な能力を育つという記述にしている。
「自分の考えを明快に表現することを学び、自分の活動や結論を正当化することを学ぶ」(中学)
その差によるいいことも悪いこともあると思うが、その違いによる教育現場が変わることも考えるだけで面白い。
ちなみに、面白いデータも見つけた。
教育費全体に占める私費の割合と教育格差です。(2008年)
OECD(経済協力開発機構加盟国)全体の平均は31.1%。
日本は66.7%
フィンランドはわずか4.6%
この私費による教育格差も結果のデータに出ています。
レベル極端に高いと低い学生の割合が日本に高く、フィンランドに低いということです。